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◇なななの短編◇
第4章 2013年2月9日(近くて遠い)
真希の背後から駆け寄った要は真希を抱き締めて、その真希の瞳を手のひらで覆った。
「っ…別に泣かせた訳じゃ──」
いや待て…
俺が…泣かせたのか…っ?
言いかけてたじろぐ光瑠に要が冷たい視線を送る。
「要さんっ…」
突然手のひらで目隠しをされた真希は驚きながら、要に問い掛ける。
要はそんな真希をチラと見た。
「何をされましたか…」
甘く耳元で囁きながら、久しぶりの真希の感触に必要以上に腕に力が入ってしまう…
このまま僕を選べばいいのに…
そんなことを密かに想いながら───
のつもりだったが…
「ふざけたことをいうなっ!!」
「きゃっ…」
光瑠の叫びを聞いて要はハッとする。
どうやら、密かに思っていたつもりが口にしていたらしい。
するりと彼女が奪われるのを見ながら、要は珍しくムッとした顔を見せていた。
「真希っ!お前もくだらないことで泣くなっ!言いたいことがあるならはっきり言え!と言っただけだろうが!」
「あっ、えっと…」
我に返った真希は光瑠の勢いに圧されながら、顔を見上げる。
「っ…別に泣かせた訳じゃ──」
いや待て…
俺が…泣かせたのか…っ?
言いかけてたじろぐ光瑠に要が冷たい視線を送る。
「要さんっ…」
突然手のひらで目隠しをされた真希は驚きながら、要に問い掛ける。
要はそんな真希をチラと見た。
「何をされましたか…」
甘く耳元で囁きながら、久しぶりの真希の感触に必要以上に腕に力が入ってしまう…
このまま僕を選べばいいのに…
そんなことを密かに想いながら───
のつもりだったが…
「ふざけたことをいうなっ!!」
「きゃっ…」
光瑠の叫びを聞いて要はハッとする。
どうやら、密かに思っていたつもりが口にしていたらしい。
するりと彼女が奪われるのを見ながら、要は珍しくムッとした顔を見せていた。
「真希っ!お前もくだらないことで泣くなっ!言いたいことがあるならはっきり言え!と言っただけだろうが!」
「あっ、えっと…」
我に返った真希は光瑠の勢いに圧されながら、顔を見上げる。