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その口でその指で
第2章 重なる遭遇
音楽室・・今日は部活の日で鍵は空いてるし、部員が少なく最近は体力作りの為に運動場でランニング稽古中だ

あの場所を今日の私のワンマンショーの場に決めよう

内心ほくそ笑むと放課後の時間を妄想してワクワクしながら彼女は授業を受けた

チャイムすら心地よい彼女は終礼とともに階段を駆け上がって音楽室の扉を開けた

案の定無人の教室に足を踏み入れ、扉からは死角のグランドピアノの奥の指揮者台に腰を下ろすと素早く本の世界へとびこんだ

読み耽っていると、扉が開く音に全神経が本の世界から引きはがされた

高鳴る心臓に息を殺して身をさらに縮ませる

話し声から部員ではなさそうで、彼女に不信感が募る
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