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その口でその指で
第2章 重なる遭遇
時折塞いだ手からすり抜けて聞こえる二人の艶かしい吐息と会話に身体が火照る

ぎゅっと瞑る目に会話と卑猥な音のせいで安易に二人の情事が想像出来た

早く終われ早く終われーと呪いを何度も頭の中で呟いた

「じゃあ・・ここまで」

「ん・・もぅ?まだ・・」

「駄目。その疼きを持ってって先輩は更に素敵な恋を楽しまなきゃ」

「凪斗くん・・私・・」

「悪いけど先輩のことはすきになってないよ」

「・・・」

手を隔ててはっきり聞こえた男子生徒の発言に彼女は思考が止まった

二人がようやく教室を出ても

彼女は呆然としていた

「なにあれ・・」

モヤモヤしたまま淫媚な空気が漂う音楽室を後にした
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