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その口でその指で
第1章 噂の真相
翌日やはり頭にこびりついた影像が事あるごとにリフレインしていた

歯を磨いた時に目が合った鏡の向こう

トーストを飲み込んだ時

制服に着替える最中

淫美な牧野先生が何度も彼女の脳内で快感に飲まれは果てていた

「どんな顔してあえばいいのかな・・絶対平静でいれる自信ないなー」

登校したいつもの座席でぼんやり呟く

ガヤガヤした喧騒する教室内で無音の再生が頭の中では繰り返されていた

図書室に行くべきか否か

「いや、ほんかえさないといけないし」

思考に思わず突っ込み、少し自己嫌悪した彼女は手持ち無沙汰に意味もなく一限目の授業の教科書をパラパラ捲って

時間をやりすごした

「はよ~」

間の抜けた朝の挨拶に何気なく教科書の印字から視線を上げた彼女は声の主をみて息を呑んだ

ふわっとした髪質にやわらかな笑と着崩しただらしない制服姿の男子生徒を凝視した
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