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イケない秘め事
第30章 出張
愛美のお腹も大きくなってきたが、つわりはなくなったらしく、かなり食事の量が増えた。
たまに、ふざけて、

「最近、太った?」

と言うと、無視される。俺が、謝るまで口を聞いてくれない。お腹に向かって、

「パパは、あぁやってママを苛めるんだよぉ。酷いパパですねぇ。」

と。どれだけ、謝ったことか。
そんなある日。俺が、急な出張になった。まぁ、明後日には帰るんたが。
愛美は、出張の荷物をまとめながら、お腹に向かって、囁いていた。小さくて聞こえねぇ。あ~、何を言ってるんだろう?
そういえば、最近愛美は、俺の事をパパと呼んでる。なんか、くすぐったい。

「子供が、理解出来る年齢になるまで、そう呼びあうように」

と産婦人科の先生に言われたらしい。俺は、両方かな?愛美とママと、分けてる。

「ねぇ、出張って、明後日には終わるんだよね?」
「うん。そうだよ。だから、愛美の誕生日は、ちゃんと祝ってやれるよ。気にしてただろ?カレンダー。」

カレンダーには、派手に愛美の誕生日と書いてある。18歳だ。普通なら、結婚が出来る年齢だが、愛美は、出来ない。だから、出張が終わってから、二人だけの写真を撮る。それは、まだ言ってない。秘密だ。

「愛美は、何か欲しい?」
「ないよぉ!だって、一番大切なプレゼント貰ったもん。」

と、お腹を指さす。
お腹も大きくなると、行動範囲が狭まる。身体の負担にならない場所、探しとくか。

朝になり、朝御飯を食べて、のんびりと支度をする。愛美が、玄関まで見送る。俺は、愛美とお腹の子に向かって、

「行ってきます。」

と行って、出張先に向かう。

愛美は、家事をしながら、お腹の子に語りかける。

「キミのパパは、お仕事頑張って、ママとキミを守ってくれてるんだよ。」
ポコッ…
「ママとパパは、本当は兄妹だけど、いっぱいいっぱい好きになったから、キミが出来たんだよ。」
ポコッ…
「でもね、ママもパパも、ずっとキミを守り通すって決めたんだ。」
ポコッ…
「キミは、ママが好き?」
ポコッポコッ…
「パパも、好き?」
ポコッポコッ…
「あと、もうちょっと、ママのお腹で遊んでて。」
ポコッ…

クスッ…可愛い。

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