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余熱
第5章 痺れる

それからさらに二、三度、下川先生は達した。

イかせても、あのキスを浴びせられ、せがまれると、突き放せなかった。

何も考えられなくなって、歯止めがきかなかった。

指を三本も受け入れ、同時に芽も掠められたからか、吹き零しながら迎えた、三度目の絶頂。

彼女はそれでようやく満足したようで、

「はぁっ…こんな気持ち良かったの、初めてかも。

本当は…森さんみたいに失神しちゃうほど、連続でイきたかったけど…」

そう言いながら、俺を踊り場へと押し返して、彼女は立ち上がり階段から降りた。

そして再び俺に抱きついて、ふふっと笑った。

「心臓、とくとく言ってる…

…興奮した?」

見上げる濡れた瞳に捕まる。

「はっ…はい…止められなく、なりました…」

上ずった声で言葉を繋ぐと、また笑われ、軽く触れるだけの口づけをされた。

それだけでも頭がじんと甘く痺れる。

「じゃあ、またしてね。

お疲れ様でした。おやすみなさい。」

そう挨拶する彼女はいつもの彼女だった。

そしてふわっとスカートを翻し、階段を下っていった。

時計を見ると、もう十一時になろうとしていた。

急いで、森 葉月を置き去りにしている車へ戻った。

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