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HOTEL・LOVE
第12章 晴樹の憂鬱
月曜の朝の気の重たさは誰しもが持っている。
でも・・
オレのは・・違う。
誰しも、は持っていない、気の重さ・・
オフィスビルのエレベーター前は、
いつもと変わらぬ混雑ぶり。
何社ものサラリーマンとOLが、
先を競うようにしてホールを埋め尽くす。
軽快な足音に交ざって、
オレの情けないほど力のない足音が加わる。
満員のエレベーターを見送り、
扉の一番前に立って次を待っていると、
後ろから肩を叩かれた。
「おはよう!なんだよ、杉山の後姿、
中年のおっさんみたいだぞ」
振り返ると、相澤だった。
スッキリとした顔立ちで女子に人気がある。
笑顔もさわやかで・・
だけどもう・・
さわやかな人じゃない。
オレにとっては・・
欲望むき出しの、ただの男。