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HOTEL・LOVE
第14章 そして2人は・・ひとつになった
抱き合ったまま、
晴樹は香澄の髪をなで、香澄は晴樹の背中をさすった。
先に口を開くのはどちらだろう・・
まるでそれを探りあうようにして、
しばらく黙ったまま抱き合った。
やがてその手を止め、口を開いたのは晴樹だった。
「笹木さん・・ありがとう・・」
「・・え?なんで?お礼なんか・・」
顔を近づけると、照れくさくなった晴樹は
香澄の頭をギュッと抱きしめた。
「オレの気持ちに応えてくれて・・
好きな女を抱きたい、その気持ちを拒絶しないで受け入れてくれた・・
だからありがとうなんだよ」
誠実な男・・
この場にふさわしい言葉かどうかわからないけど、
香澄はその言葉を選んだ。
互いに結婚している。
それでも好きになってしまった相手と境界線を越えてしまった。
共犯者、になってくれたことを感謝するなんて
やっぱり誠実、でいい。
香澄はうなずいた。