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HOTEL・LOVE
第14章 そして2人は・・ひとつになった
・・杉山さん、眠れてるかな・・
私は眠れない・・思い出して・・眠れない・・・
規則的な寝息を繰り返す亮太の隣で、
香澄は息を殺すようにして布団にもぐった。
彼の感触は、
シャワーでは洗い流せない。
彼の手がたどったのとおなじところを、
自分でもなぞってみる。
ここからあの手がここに・・
うっとかすかな声をもらしてしまうほど、
体が記憶を呼び起こす。
慌てて口を押さえた。
思い出しているのは、
体に残る感触だけじゃない。
晴樹の言った、大切な事・・
「・・この先、なにかをどうにか変えよう、なんて
考えちゃいないから・・
あなたが不幸になるような事だけは・・絶対しないから」
あの時、私は黙って頷くしかできなかった。
彼の言いたい事、それはたぶん、
互いの家庭を壊してまで突き進んだりしないって事。
これからこの関係を保っていくとも
1回きりとも、そういう事のいっさいを、
明確にすることは避けた。
もしかしたら今日だけ、かもしれないし、また求めれば
愛し合うかもしれないし・・正直、わかんない・・
一度くらいしてみたい・・
なんて鼻で笑うくらいにしか思ってなかったけど、
いざ自分が直面したらこんなにも・・
心が苦しくなるなんて・・
そう考えたらますます、眠れなくなった・・