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HOTEL・LOVE
第1章 始まりは・・ホテル・コパカバーナ
「笹木さん、杉山さんは土曜日と、
あと隔週で日曜日が早番なんで、
その時は面倒見てくださいね」
マネージャーをはさんで面と向かうと、
サラリーマンのような
カタくてきちんとしたお辞儀をしながら
よろしくお願いします、と挨拶してくれた。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
香澄は媚びるような眼差しで
男の眼をしっかりと見据えた。
今の目つきじゃきっと
女をアピールしているなと
思われただろう。
でもそんなことかまうもんか、だって、
その通りなんだから・・
「じゃあ笹木さん、
今日一日一緒について教えてください。
よろしく」
「はい、わかりました」
香澄はさっそく、
彼の使用する掃除用具を
説明しながらバケツの中に揃えてやり、
自分が担当になっているフロアへと連れて行った。
静かな廊下に響く香澄の声に
相槌を打つ晴樹の声は
囁きくらい小さい。
「そんなに小さな声じゃなくても大丈夫ですよ。
普通に話しても平気。
中に聞こえたとしてもどうせ
それどころじゃないだろうから」
フッと鼻で笑ってやると
晴樹も同じように鼻を鳴らした。