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HOTEL・LOVE
第6章 晴樹の揺れ


初夏の夕方5時は

まだまだ明るくて

まっすぐ家に帰る気を失せさせる要素を

いっぱい持っている。


今までなら、

ちょっと本屋で立ち読みするか、とか

デパートの屋上で缶コーヒーでも飲むか・・

なんてことで

空の色が濃くなるのを待って家路についたものだが、

これからはその回数もぐっと減るだろう。



毎週水曜日、

残業代わりのダブルワーク。

もちろん会社にはバレないように注意を払う。

基本、ダブルワークは禁止されている。

が、今のご時世、

収入減を突き付けられたサラリーマンたちは

結構副業を持っている。

そうまでしなければ家庭を守れない・・

晴樹もその一人となったわけだ。



夜のラブホテル・・

仕事そのものより、

どんな時間が待っているのだろう。

昼とはまた違った場面と

遭遇するのだろうか。

ストレスも吹っ飛ぶような

オモシロい出来事でもあればいいな、と

ふざけた下心を抱えながら

掃除用具をそろえ始めた。
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