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HOTEL・LOVE
第7章 縮まる距離
土曜日。
ホテルの通用口で
晴樹の後姿を見つけた。
「おはようございます」
晴樹がはずむ声の主へと顔を向ける。
期待通り、
香澄の笑顔がそこにあった。
「おはようございます」
「どうでした?一週間。
結構疲れたんじゃないですか?」
「ええ、ちょっとね・・」
ちょっとどころではない、と
本音をこぼしたいところだが、
男の見栄、みたいなものが
それを邪魔した。
「あ、でももしかして
今日まで休み無しじゃないの?
だって先週の土日、でしょ、それと
今日・・え~!
それってきびしくないですか?」
そうなんだけどさ・・
現実を突きつけられたら
肩にずしっとした重みを感じた。
「はい・・でも明日は休みだから。
なんとか今日一日がんばれば!」
またしても男の見栄は、
無理やり笑顔を作り出す。
その裏側に隠している憂いを、
絶妙のタイミングで見せるために、
今はとにかく
笑顔笑顔・・・