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第7章 満開

急いで家事を済ませ、ごみ捨ても早めにいく。まだちらほら人がいて、収集場所では井戸端会議が開かれていた。

家に戻り画材を見ながら、収集時間が過ぎるのを待つ。

待ちきれず家を出る。ご近所の方は誰もいない。急いでお屋敷に向かいインターホンを押し中に入る。

カランカラン…

先生は玄関に出迎えてくださった。

｢おはようございます。すみません早くにきてしまいまして…｣

｢随分熱心な生徒さんだ。大歓迎ですよ。｣

先生は迷惑がらずに寧ろ優しい笑みでワタシを迎えてくださる。

先生の温かさに凍てついた心が溶かされ、涙が溢れてしまう。

｢どうしました？
何かありましたか？｣

体が勝手に動き出す。
ワタシは靴を脱ぎ捨て、先生の胸に飛び込んでいた。

｢先生、ワタシを抱いてください。｣

泣きながら訴えた。

先生は優しく抱き締め、しゃくりあげてしまうワタシの背中を宥めるように撫でてくれた。

｢悪いけど、僕は情に流されて泣いている女性を抱いたりしないよ。そんな勢いでコトを運んだら、お互いに後悔するからね。

家で何かあったんですね。まずは話を聞きましょう。｣

いつも通り着物になるように促された。