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色絵
第9章 猫
僕を呼び、貴女の体は力が抜けていく。

長い射精を終えた僕は貴女を連れて湯船に入る。


チャプン…チャプン…

波間に揺れる流木のように二人して湯船に浮かぶ。

実際は浮いてはいないのだが、余韻を味わいふわふわとしていたのだ。


「凄い効果でしたね。ずいき。もう熱は醒めましたか?」

「はい、たぶん。」

先生はワタシの体を撫でる。優しい手付きで愛されているのを感じる。

「どうも嫉妬にかられて酷くしてしまいましたね。」

「いいえ」


ワタシが悪いのだ。先生と一緒にいたい。
主人と別れてきちんとすればいいのに、どちら付かずの態度で先生を困らせている。


具体的にどうするか、もし別れたら、先生は受け止めてくれるのか。
そんな話もせず、今、日中会えるという状況に甘んじているのはワタシだった。

「遅くなるとまた貴女が困るでしょうから…」

脱衣場で互いの体を拭く。

ガタン…ガタガタっ

また音がする。

「先生…やっぱり何か音がしますよ。」

「実は、猫を飼っているんですよ。ゲージから出ることを覚えてしまったらしくてね。まだ子猫なんですが。」

「猫ですか?見たいです。」

「いや、臆病で人見知りするから会わせられません。」
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