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色絵
第12章 桜
「ママ?」
ワタシは小さな手に引っ張られ、絵の前に立ち尽くしていることに気づかされる。
「ママ、僕、ここから1人で行くんだよ。
行ってきます。」
手が離れ、ランドセルがカタカタ鳴る音がする。
「実、気をつけて、いってらっしゃい。」
「うん、今日もおやつ作って待っててね。
行ってきます。」
パタパタと足音が小さくなり、角で実が曲がる。
実(みのる)はワタシの1人息子。
あの時の吐き気はつわりだったのだ。
ワタシも一つ大きな秘密を抱えている。
実が産まれたあと、女の子が欲しいとどんなに望んでも恵まれなかったのが証拠。
笑い顔やふとした表情にあの人を感じる。
愛し子…花はちゃんと実を結んだのだ。
ワタシは小さな手に引っ張られ、絵の前に立ち尽くしていることに気づかされる。
「ママ、僕、ここから1人で行くんだよ。
行ってきます。」
手が離れ、ランドセルがカタカタ鳴る音がする。
「実、気をつけて、いってらっしゃい。」
「うん、今日もおやつ作って待っててね。
行ってきます。」
パタパタと足音が小さくなり、角で実が曲がる。
実(みのる)はワタシの1人息子。
あの時の吐き気はつわりだったのだ。
ワタシも一つ大きな秘密を抱えている。
実が産まれたあと、女の子が欲しいとどんなに望んでも恵まれなかったのが証拠。
笑い顔やふとした表情にあの人を感じる。
愛し子…花はちゃんと実を結んだのだ。