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色絵
第4章 色付け
今日はレッスンバックを持ちインターホンを押す。

「どうぞ」

先生の声を確認して屋敷に入る。アトリエのドアは閉まっていたが、先生が着替えて来るように声をかけてくださった。

屋敷でのルール、先生との決まり事は、レッスン同様、形作られていた。

ノックしてアトリエに入る。

「おはようございます。
早速だけど後ろを見せて?」

先生が立ち上がりワタシの方に来る。

「結べるようになったね。此処を締めて、此方を膨らませると更に形がよいよ。」

後ろ手にワタシの手を取り、御太鼓の結び方を教えてくださる。

いきなりワタシの鼓動は速くなる。

「おはようございます先生。」

いちいちドキドキしていられないのだけど、体の反応は止められない。

「髪も結わせてくださいね。」

既にコヨリが用意されていたようで、先生がワタシの髪を纏めあげて結んでいく。

「先生、今度から纏めてきましょうか?」

「いや、道で色香を振り撒く必要はないでしょう。勿体ないですよ…」

また先生の軽い冗談だとわかっていても赤くなる。
でも、この体制を利用してワタシは昨日の返事をする。

「先生、やはりワタシを絵にしてください。」

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