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【SS】目が覚めたら…?
第6章 【2000拍手突破感謝】Ⅰ.帝王の憂鬱
 



「ハル、どうしてぇぇ……」



 ……初めてかもしれない。

 自分の名前をここまで嫌だと思うなんて。


 自発的にシズが呼んだ名前。

 感じまくった艶めかしい顔の、熱で潤んだその視線の先。


 すでにどろどろに蕩けきっていたシズの秘部。


 いつもはそそりまくる……愛しい女の扇情したその表情が、俺の気分を降下させる。



 誰を……想ってた。

 誰に感じていた。


 俺の体で誰を!!!


 36歳の俺を嘲笑しているかのような、若さをひけらかすHaruに腹が立つ。

 流し目でシズを誘惑する、そのにやついた顔が許せねぇ。


 どこがいいんだ、こんなオトコ!!


「俺様との時間を、ぶち壊しやがって!!」 


 だから俺は――。



「ナツ、ゴミ袋もってこいっ!!」



「いやあああああああ!!」



 すべてのポスターを引き剥がして破り、俺の知らないHaruという名がつくすべてのグッズをゴミ袋に入れて、それを中庭で盛大に燃やした。 


 人に愛想振りまいているだけの軟弱Haru如きが、俺様に楯突こうとは1000年早いんだよ!!


 俺様の力、思い知ったか!!

 シズも俺も…寸止めにしやがったこの怒り、思い知りやがれ!!



「FUCK YOU!!」


 中指を突き立て、Haruの焚き火でふかした一服は、至上の美味だった。



 さあ、気を取り直してゆっくりシズと一発。

 凄いモノをお見舞いしてやろう。


 きっとあいつ、啼いて悦んで悶えるぞ……?



 さあ……。

 めくるめく、官能の世界へ――。

  


 しかし――。



「あたしに触らないで!!」



 ……それから、シズが口を聞いてくれなくなった。



「あっちいって!!」

「ハル兄なんて嫌い」



 やべ……怒らせた……?


 俺は、オンナの機嫌を取る方法っちゅうもんをしらねぇ。



 サァーッ。


 シズが眠りについた時と同じように、全身の血の気が引く音がした。






ハルside → next stage……


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