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【SS】目が覚めたら…?
第18章 ハルへのエイプリルフール
 

 

 冗談には終わらせない、ハル兄主導のエイプリルフール。




「嘘から出た真にしろよ?」




 ……ああ、あたしはハル兄に敵わない。

 ハル兄には誤魔化しも訂正もきかない。



「折角のエイプリルフールだ。……可愛いお前に騙されて、このまま煽られてやるよ。だからお前も…その体で俺の熱に応えろ。最後まで」



 狙いを定めた捕食者の如き鋭い目であたしを絡め取るハル兄のその逞しい体が、熱く濡れたあたしに沈み、ふたり溶けていく――。



 青く広がる空の下、淫らな声と音が響く。


 あたしが何度も達する度に艶然と笑うハル兄は、甘やかなその瞳であたしを見つめ、あたしの舌や肌を吸いながら、苦悶を帯びた悩ましげな表情のまま、激しく腰を打ち付けて自らも上り詰めていく。



「シズ、シズ……っ、どうだ、気持ちいいか……っ!?」

「ああ、あぁぁ……っ、ハル兄……っ、それは駄目……っ、駄目、激し……っ」

「奥だろ……っ、お前が好きな奥をもっと貫いてやる。淫魔すら喜ぶように……っ、だから……っ、俺を…愛せ。今は、体だけでもいいから……っ、俺を感じろ、俺の愛し方を刻み込めっ、シズ、あぁ……くっ、静流――っ!!」



 サバンナの地を駆ける野生の帝王の如く、勇猛な姿をあたしに刻みつけて――。


 きっとあたしはこの先も、ハル兄に騙されてもハル兄を騙すことなど出来ない。ハル兄は、あたしなどでは捕らえきれない。


 あたしはハル兄から逃れられない。

 いつでもハル兄の掌の上。


 ころころと、転がり落ちるのはどこなのか。



「冗談にはさせないぞ。なぁ……静流」


 熱っぽく掠れた声が、あたしの体を震わせる。



 白い意識の中、…ハル兄の甘い熱に堕ちていく自分を感じた。






 fin.

 
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