この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第18章 ハルへのエイプリルフール
 







「"エイプリルフール"」








 唇が重なる直前で、漏らされたその言葉の意味があたしにはすぐに理解出来なかった。



「俺様を騙そうとするなんて、100年早い」
 


 思わず目を開けて見れば、超至近距離にてハル兄が意地悪そうににやりと笑った。



「お前の手の内なんぞ、初めからわかってる」




 そしてあたしは理解したのだ。


 ハル兄を騙そうとして、逆に騙されていたことに。


 キスをする気満々だったあたしは、恥ずかしさに顔を赤くさせて、触れられることがなかった寂しい唇に手を置いたまま、ずるずると壁からずり落ちた。
 

「だけど……」



 一緒に屈んだハル兄は、あたしの手をどけると、あたしの唇に噛みついてぬるりとした舌をねじ込んだ。


「ん……んぅ……っ」



 じたばたするあたしの手を押さえて、押しつけてくる情熱はあたしには痛いくらいに熱すぎて。

 あたしの両足の間をハル兄の片足が割って入り、よりハル兄の熱い息と匂いがあたしの中に充満して、くらくらしてくる。


 ハル兄に染まって行く――。




「ん、んん……っ」


 そしてその肉厚な舌はあたしの舌から離れて、首筋を這いまわる。


「……わかったろ、シズ」



 首筋から、ぎらぎらと情欲に滾る瞳が向けられる。

 それだけであたしの体はかっと熱くなってくる。


 
「俺に愛されるということは、冗談で済むような軽いもんじゃねぇ。身も心も俺に食らい尽くされる覚悟をしてから、もっと真剣に俺に言ってみろ」



 そしてハル兄は挑発的に笑った。





「俺は、待ってやるから。

――生涯をかけて」



/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ