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【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
「ハル……、ハル、好き」
「ん……」
好きだと言う度に、ハルはあたしの肌に吸い付いた。
冷えた肌が、熱を拡げる。
「好き……っ」
「ん……」
腰の律動が早くなっていく。
ハルの返答代わりに、ハルが残す証があたしの体に刻まれていく。
好きでたまらなくて、だから体を繋げて。
気持ちよさと幸せを感じて。
この行為の果てはどこに繋がっているのだろう。
加速した想いの先にあるのは、終焉? それともなにかの始まり?
気持ちよさが強まるほどに不安になる。
このまま進んでいいのかと。
この行為を経験済み(だろう)ハルは。
あたし以外の女達を抱いてきた(だろう)ハルは。
きっとこの行為の行き着く先を知っているのだろう。
考えないようにしていたことが、思考を占領する。
香水の漂っていた事実――。
だからハルから、愛の言葉が返らないのだろう。
ああ、雨が降っていてくれてよかった。
あたしの涙を掻き消してくれるから。
「あたし……日影でいい。たとえハルがお母様の愛人でも、別に女がいても。それでもあたしはハルが……」
ゴツン。
またもや頭突きだ。
ぎらぎらとしたハルの目が向けられていた。
「こんな時、笑えねぇ冗談はいらん。俺のどこに女の影あるって!? しかもお前の母親!? 冗談じゃねぇ、俺はそこまで悪趣味じゃねぇよ」
ゴツン。
さらに強い頭突きだ。さすがにこれにはくらくらきた。