この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)
「だって香水……」
「香水? お前を狙う刺客の放った猟犬よけだ。じゃなければ誰があんなキッつい匂いをあたりに撒くか。おかげで食欲減退して、お前の作った料理も食えやしない。野菜で精一杯……って、なににやにやしてんだよ」
「いや、その……」
ハルが超然とした眼差しで、勝ち誇ったように笑った。
「なんだ。妬いてたのか、お前」
「……別にあたしは…」
「お前は、俺様が大好きなんだものな。他の女に取られたくないと思うほど。……俺が、奴にお前をとられたくないと思っていたのと同じくらい、妬いてたんだよな!?」
そこになにか鬼気迫るものを感じたあたしは、慌てて頷いた。
「……ちなみにあたしは、ハル以外にとられる予定はまったくないから…。あたしはハルだけだから……」
そう、こつんと頭をハルの胸にぶつけたのは、さすがに恥ずかしかったからだった。真っ赤な顔を見られたくなかった。
"俺が、奴にお前をとられたくないと思っていた"
ハルの口から出た言葉が、嬉しいんだ。
あたしと同じように、妬くほど好きでいてくれたの?
「こっち見ろよ」
「嫌」
「見せろって」
無理矢理顔を上げさせられて。
「真っ赤」
するとハルは嬉しそうに笑っていて、何度も何度も顔中キスを降り注ぐ。同時に繋がった部分のハルも大喜びだ。
だがハルは、その表情からすっと笑いを消し、やるせなさそうな顔つきになった。
「もう……わかっただろ、俺の気持ち」