この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第25章 【ファン感謝】白雪姫 ①猟師(ハル)


 


 すべてを片付け、猟師は硝子の棺に眠る愛しい女を切なげに見つめる。

 
「シズ……っ」


 呪いが解けた弟と、信頼する部下の見守る中、硝子の棺は静かに開けられた。



「シズ、聞こえるか? シズ、目覚めろ」


 感極まって涙を零す猟師が、棺に眠る女に口づけた。


「もうすべて終わった。ただの女として、俺のところに戻ってこい」


 何度も何度も――。



「ん……」


 そして女は目を開ける。



「……ハル?」


 愛おしい男の姿を見ると、女は戸惑ったような顔をした。



「ええと……?」


 状況が掴めぬ女に、猟師は愛おしそうに微笑んだ。



「すべては終わったぞ。後でゆっくり聞かせてやるよ。俺を守ろうとした愛おしいアホタレに、俺がどれほど恋い焦がれて、どれほど必死で、消えたお前を探していたのか。

――もぅ離さねぇからな。どんなに逃げても、必ず捕まえる」



 唇が重なる。



「お前は、俺の嫁だ。……お前に拒否権はねぇ」




 ……目が覚めたら。



 そこは愛の光に満ちていた世界。

 
 女の目から歓喜の涙が零れる。

 彼女を心から愛するふたりの男が、嬉しそうに祝福の拍手を送る。




「俺の隣で一生を過ごせ。……俺だけを愛して生きろ。

俺も命ある限り、お前を愛すから」



 姫であってもなくても。

 王子であってもなくても。



「お前の生涯を、俺にくれ」



 真剣に相手を想う愛さえあれば、きっと辿れる――、



「うん、うんっ!! あたしを……お嫁さんにして、ハルっ。

ハルが好き、ハルとずっと一緒に居たい――っ」



 
 目覚めた世界は、そう……。



 きっとハッピーエンド。









【ハル編 完】 

/779ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ