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【SS】目が覚めたら…?
第26章 【ピックアップ御礼】その日……。
「ああ、俺達がこんなに汗掻いて我慢してるってのに、なんかむしゃくしゃすんな。もっともっと乱れろよ。兄弟で愛してるんだぞ? 挿れてぐらい言えよ、欲しいだろう? 俺達だけじゃねぇだろ、深い繋がり求めてるの」
「ああ、ハル兄、駄目っ、後ろから両手で…っそんなに強くひっぱちゃ駄目。蕾が取れちゃうよ、ねぇ、あああっ、あああっ、強く、しないで。それじゃなくても、強く、強くされるとあたし……」
胸の蕾を指で強く引っ張り上げ押し潰しながら、意地悪そうに細められたココア色の瞳が、横からあたしを見つめる。
「どうなんだ? "しーちゃん"?」
「ふふふ、ここがとろとろになっちゃうんだよね。"シズ"」
甘い声の合奏に、鼓膜から全身にびりびりとした刺激が突き抜ける。
前からも後ろからも、大好きな妖艶な声が聞こえて。
その熱に包まれ、その剛直に擦られて。
どっちがどっちなのかもわからない意識の中、それでも触れ合う部分は互いに興奮して猛っているのだけはわかる。
あたしは乱れて大きく身体を揺らして、喘いだ。
攻めてくる男の名前を呼んで、気持ちいいと啼き続けた。
やはりあたしは、ハル兄はハル兄らしく、ナツはナツらしく。
いつものままでいて貰いたいんだ。
「なぁ、ナツ。こいつ、どっちが本物なのかわかっているな」
「そうみたいだね。僕達もやっぱり、自分の名前で求められた方がいいね。たとえ自分が望む身体でいても、だけどしーちゃんを好きになった時の身体で愛したい」
「同感だ。こいつへの想いと共に成長してきた身体で、ひとつになることこそに意義がある。だけど今は仕方がねぇ。……んっ、ナツ。マジに俺、もう無理だ」
「だったらお兄ちゃんからどうぞ。やっぱり僕も、そっち重点に鍛えておけばよかったな……。しーちゃん相手にこんなにもったの初めて」
「若さがあるんだからいいだろ。だったら先に俺が……。シズ、俺から行くぞ。勝手違うから、痛みとか感じたらすぐ言え」
そして前からは熱がずるりと引き抜かれ、あたしの両手をシンクタンクに捕まらせると、その白い腕があたしの下腹部に添えられ垂直に曲げられた。