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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
②森の中へ【小人ナツVer.】
城から放たれた追手が背後から迫り来る。
鬱屈としていた城での毎日。
生きているのか死んでいるのかわからない状態だったけれど、だけど理不尽な理由で殺されるのは嫌だ。
聞こえるんだあの声が。
―――姫、待っていて……必ず会いに行くから……。
名前もわからず、顔もわからない。
だけど声を思い出す度に心が熱く震える、あたしの王子様。
また会いたいと思えばこそ、あたしは生きねばならない。
早く逃げなくちゃ!!
遠くへ、遠くへ――。
ドレスの裾を摘まんで走るあたし。
途中躓いて転び、踵が折れた靴を投げ捨て素足で走る。
どこをどう我武者羅に走っていたのか。
なんでここに行き着いてしまったのか。
目の前に広がるのは、広がる大木が互いの枝を絡め合って密となり、頑丈な柵のようになって行く手を阻んだ――森の入り口だった。
出入り口なきこの森は、"人食い魔女の住まう森"と誰もに忌避される森なのだろう。
出入り口がないのに森から音がして。
歌声や話し声、悲鳴まで聞こえるという不思議な森。
だから皆が噂している。
森に住まう魔女が腹を空かせれば、その魔力で選んだ少女を森に誘い込み、歌を歌いながら身体を切り刻み、鍋に入れてぐつぐつと煮込んで食べる。
それが魔女の魔力と若さの源になると。
そんな開かずの森が――。
「どうして!?」
今、あたしの目の前で開かれた。