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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
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大きめの頭、ふっくりとしたお尻。小さい手足。
四頭身の幼児体型に上下衣と帽子はお揃いの色で。
外貌は幼児なれど、動きは軽やかで小回りが利き、踏み台など道具を使って小さな身体の行動範囲をカバーする頭の良さもある。
陽気で歌を歌うのが好きな、働き者のナツ達は、あたしを見るとぱーっと顔を輝かせて、愛くるしい笑顔を見せて全身で喜びを表現する。
可愛い可愛いナツ達。
毎日が賑やかだ。
ナツ達は各自自己主張が激しいくせに、等分の扱いを求める。
いや、主張が激しいからこそ、他ナツの接し方を過分のものと思い、自分は除け者に差別されているのではと妬んでいるのか。
足の怪我が治癒して自由に歩けるようになったあたしは、ここに住まうために働こうと思い、だが働く術を知らぬ世間知らずのあたしは、ナツ達に教えを乞うしかなかった。
どれかのナツに仕事を教えて貰おうとしたら、それと同じ長さの時間、別のナツにも教えて貰わないといけない。
そうでなければ喧嘩が始まったり、泣いてしまったり、拗ねていじけてしまったり。
正直面倒臭いが、子供だと思えば可愛い。
どのナツにも同じ接し方になるようにあたしも努力しているが、例外になってしまうのが、ハナタレナツの扱いだ。
彼の動きはとにかく遅い。食事を食べ終えるのも遅く、零してしまったりして、清掃担当の白ナツや洗濯担当の黄ナツに怒られ、料理担当の赤ナツからも食べ物を粗末にしていると叱られ、なにをしても泣いてばかり。
ハナタレナツには悪気はなく懸命なのだが、他ナツ達があまりにも器用で機転がきすぎるためにその落差が激しく、そのためあたしがハナタレナツを見捨てられずにかかりきりになれば、他ナツ達が今度はしくしく泣き出す。
それだけではない。
「しーちゃん……。僕もお仕事を……」
彼はあたしに担当の仕事を教えたがっているのだ。
ドアの隙間から、壁の影から。自分もあたしに仕事を教えたいという念は、まるで怨念のように送られてきて、その思いはひしひしと感じるのだけれど、なにぶん仕事が仕事だ。
「しーちゃん……。僕、えっちを……」
必要がない。