この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
あたしが鷹に敵対心を向けている最中――。
「きゃあああっ!! お兄ちゃんからのお手紙だああ!!」
「嬉しい~っ、お兄ちゃんからだあああ!!」
「『元気でいるか、困ったことないか』……ないよ、お兄ちゃん!! そうだ、お兄ちゃんにしーちゃんが来たことを知らせなくっちゃ」
「そうだ、結婚式の招待状にしようっと」
「うふふふふ~ お兄ちゃんに会いたいなあ」
「お兄ちゃんに栄養たっぷりのお総菜をあげようっと。鷹さん、お兄ちゃんに人数分のお手紙と人数分の招待状とお総菜を渡してね」
ナツ達は、小さい手でなにやら(不穏な)書き物をしては、うふふとにんまりと笑っておおはしゃぎだ。
駄目だ。
この可愛い生き物、どうしてくれよう。
君達がじたばたしながら喜ぶ様は、あたしの萌えのツボに嵌まりまくりだよ。
「「「「「「あぁ~ん、嬉しすぎる~ぅ」」」」」」
可愛すぎる~ぅ。
重い荷物を足に括り付けられた鷹は、心得たとばかりにばさりとまた大きな翼を拡げた。
そしてよたよたと飛んで行く。
大丈夫かな、低空飛行だけれど……。
意地でも飛んで帰る気らしい。
鷹なら――、
この森を行き来出来るんだ?
羨ましい……。
「お、お兄ちゃん……。僕の、格好いい……お兄ちゃん……っ、僕の、僕の憧れ……ほぅっ」
ハナタレナツが、あたしの隣で両手拳をぶるぶると振るわせて、上気した顔でかなり興奮気味に騒いでいた。
その手には、書きかけの手紙が握りしめられていた。
書くのが遅くて既に鷹は飛び去ってしまったが、ハナタレナツは嬉しそうな顔で、床に拡げられたままのお兄さんが書いたらしい、縦に書かれた……えらく達筆すぎてなにがかいてあるのかあたしにはさっぱり読めない手紙を、小さな手で何度も撫でていた。
「お、お兄ちゃん……くふっ」
かなり慕われるナツ達の"格好いい"お兄さんとはどんなひとなのか。
大きいのか小さいのか。文字書けるんだから人間、だよね?
兄弟ならば、きっと性格は温厚で人当たりがいいのだろう。
もしくはハナタレナツにそっくりなのか。
ハナタレのお兄さん……?
……綺麗な方を想像していよう。