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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
庭――。
しゃがみ込んでいる緑ナツとあたし。
「しーちゃん、おいしいお野菜や綺麗なお花を咲かすためには、お歌を聴かせて愛情を注ぎながら、こうやっていらない雑草を引き抜いていくんだよ。ハ○ホーハイ○ー、お花が好き~」
ふ~り、ふ~り。
緑色の参観帽子を乗せたナツの頭が、口ずさむ歌のリズムと雑草を引きちぎる手の動きに合わせて、左右に揺れた。
「もぅ~、しーちゃん僕のほっぺに指をぷすっとしないでよ~。しーちゃんもお歌歌いながら、草を抜いて……その後は肥料を撒いて収穫だよ?」
風呂場――。
あたしは白ナツとたわしをもって、湯を抜いたかなり大きな浴槽の清掃。
「しーちゃん、身体は綺麗にしないとね。湯には細菌がわくから、こうやってこまめにお掃除しようね。はい、ご~し、ご~し」
ふ~り、ふ~り。
白ナツの身体が、言葉のリズムに合わせて伸び縮みする。
「やぁん、しーちゃん。ぎゅっとされたら僕動けない。だけど……ちょっとだけ、もうちょっとだけ。うふふふ、嬉しいな~。しーちゃん、こっちは僕がやるから、しーちゃんはあっちの高い場所をお願いね~」
そんな全員の、やけに熱心な教授が一段落した時だ。
ばさばさと、大きな鷹が家の外から窓をノックしたのは。
「あ~、鷹さん~」
わらわらと、7人のナツ達が破顔して窓を開けた。
随分と目つきの鋭い大きな鷹だった。
不遜な様子で一瞥し、あたしを見ると威嚇のように両翼を拡げ、驚いて座り込んでしまったあたしに満足したのか、つんとした顔を寄越して羽を畳む。
何この子、可愛くない。
誰よこの、ふてぶてしい態度の鷹の飼い主は。