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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「早く子供が生まれないかなあ、名前は……」
「「「「「「フユ!!」」」」」」
……既に、全員一致で名前まで決まっているらしい。
「じゃーん、見てよ。得意のお裁縫でフユちゃんのお洋服作ったんだ」
「僕は手製の揺りかご!!」
「離乳食は任せてよ」
「僕の子かあ」
「僕の子だよ」
「「「「「「僕の子!!」」」」」」
……もう子供が直ぐにでも生まれてくるの前提だけれど、誰がフユちゃんを生むの?
まさか同時に7人生むとか思っていないよね?
頭が痛いよ――。
その中だった。
家のドアがノックされたのは。
誰?
また鷹が戻って来たの?
「はあい、誰ですかあ?」
青ナツが踏み台を持ってきてドアの前で立つと、小さな木枠を移動させて向こう側を覗いた。
あそこを動かせば、鍵をかけていながら相手を確認できるらしい。
『俺だ』
涼やかな声がすると、ナツ達は全員が飛び上がった。
「「「「「「きゃああああっ、今日はお兄ちゃんのお手紙だけではなく、サクラも来てくれたあああ」」」」」」
ナツ達は大興奮。
サクラとは誰ぞ?
また小さい仲間なのだろうか。
そう思っていると、静かにドアが開いた。
そこから現れたのは、さらさらの黒髪と黒縁の眼鏡。
清潔感漂う、細身の美しい若者で。
「やあ、ナツ。元気だったか?」
「「「「「「元気だったよ、サクラ!!!」」」」」」
あたしより高い身長の、爽やかで気品がある人間の男だった。