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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
胸の頂きから生まれるじんじんとしたもどかしい快感が、飛び火したかのように熱をもって疼く秘部にも生まれる。
思わず足を擦り合わせてしまえば。
「僕なんだよ……」
下に敷いていたナツの足が動き、あたしの両足はナツの足に掬い上げられるようにして、ナツの上でM字型に固定されてしまう。
両手両足鎖で繋がれ、こんな羞恥心を煽るはしたない格好で固定されることに女として危機感を覚えるのに、興奮して秘部を疼かせてしまっているあたしはなんて淫らなのか。
抵抗を試みてもナツに敵わぬあたしは、ひ弱な女を自覚させられながらも、ナツがどんな男の顔であたしを見て、どんなにいやらしいことを次にされるのかと想像しては、より疼く熱い体をもてあまし、思わず息を乱してしまう。
そんな興奮が伝染したかのように、理不尽さに憤って語気を荒げたナツの声があたしに向けられた。
「……君と愛し合う世界にはサクラはいない。全身全霊で君を愛して抱くのは、この僕だ。他の男じゃなく、この僕と愛し合っているということ、わかれよ――っ!!」
そして目隠しが外された。
「ああ……っ!?」
現れたのは、白銀で出来た玲瓏な世界。
大小様々な鏡で覆われた部屋に、たくさんのナツとあたしがいたんだ。
様々な角度からあたし達を見つめる様は、まるで万華鏡。
鏡の向かうにいるたくさんのあたしは、青ナツが作っていた白いウェディングドレスを着ていた。
花で飾られた寝台の上に、両手足を長い鎖で繋がれ、後ろからナツにいやらしく乳房の形を変えられながら、ナツの両足によって大きく両足を拡げて。
至る角度から、たくさん映し出される淫らなあたしと妖艶に見つめるナツ。倒錯的にも思える光景に眩暈を感じた。
どれが真実のふたりなのだろう。
自分だと感じているものも、鏡の中に映った虚像のように思えて、自分という存在が消えそうな危機感と、怯懦の念に苛まされる。
真偽混在する不思議な虚構の世界において、真実としてわかるのは、聖なる花嫁衣装を穢してあたしは痴態をさらし。
そしてナツは、憔悴に翳った表情を見せながらも、妖艶さを際立たせながら、捕食者のような鋭い眼差しであたしを見ているということ。
あたしの鎖の先は、ナツの手足。
あたしは、ナツの虜囚だった――。