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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
ナツSide
どうしてこうなってしまったのだろう。
僕はただ、僕の身体で僕の熱い想いを、伝えたかっただけだった――。
消え去る身の上に同情されたいわけではなく。
ましてや詰るつもりはなく。
しーちゃんの人生の中に、しーちゃんを真剣に愛してやまない男がいたことを、ただその心身に刻んで貰いたいだけだった。
だから食事する間も惜しくて、ひたすら愛し合っていたかった。
僕が存在していたことを、そして僕が今までどれほどしーちゃんに恋い焦がれていたのか、昔伝えられなかったこの熱い想いを伝えたいと。
僕はひとつになれた幸せに耽りながら、愛するしーちゃんを……僕が大好きな他の男に託して散りたかった。
この世からいなくなる最後の最後まで、僕はしーちゃんを全力で愛して、しーちゃんを感じながら消えられるのなら、未来がなくても満足だと。
ただそれだけだったのに――。
しーちゃんの中に僕がいないことが。
しーちゃんの中に僕以外の男がいるということが。
僕の覚悟を狂わせた。
未来のない僕が、一番気にしてはいけないしーちゃんの気持ちを、気にしてしまった。
一方的な想いであろうと、伝えられるだけで満足しようとしていた僕に芽生えてしまった、独占欲……。
しーちゃんはずっと僕のものだ、と。
彼女の愛を得られる、未来ある男への烈しい嫉妬。
彼女を、期限なしでずっと抱いて愛し続けることが出来る、男達への嫉妬。
しーちゃんを見つめ、しーちゃから見つめられて。
しーちゃんの名で果て、果てるしーちゃんが呼ぶ名が。
エイエンニボクダケニシテホシイ。