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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
「酷いよ……。酷いよ、ナツ!! あたしの心を置き去りにして、体を鎖まで使って繋いだのはナツよ!? だったら責任持ってあたしを繋いだままにしておいてよ。自由なんて苦痛を与えずに、あたしは最期までナツのものだと騙して、あたしがなにも考えられなくなる程烈しく心まで貪って殺してよ!!」
だからねぇ、僕を惑わせないで。
「酷いよ、そんなに簡単にあたしを離さないでよ、捨てないでよ!! 他の女のところになんていかないで。あたしを見て、あたしの心をナツに繋いでよ――っ!!」
ああ、もう駄目だ。
勘違いする。
勘違いしたい。
きゅっと目をつぶった僕は、ぎりぎりのところで踏みとどまり、しーちゃんの身体を抱きしめようとした手を宙で止める。
「だけど僕は、君の身体を無理矢理……」
「無理矢理奪われたのは身体じゃない。心よっ!! 悪いと思うのなら、責任とってずっとあたしのもとにいて。あたしを心で愛してよ――っ!!」
どこかでなにかが弾けた音がした。
僕は鎖が外れた両手で、しーちゃんを抱きしめた。
鎖よりももっと強く、……雁字搦めにするように。
ハナシタクナイ。
「どういう意味?」
掠れきった僕の声は震えて。
ハナレタクナイ。
消える身の上では、期待しては駄目だと、聞いては駄目だとわかるのに、心が奮える僕は……、僕の衝動は、もう止まらなくて。