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【SS】目が覚めたら…?
第27章 【ファン感謝】白雪姫 ②小人(ナツ)
嫋やかな身体が僕に絡みついてくる。
縛り付けているのは僕なのに、その僕を縛り付けたいというように、彼女の熱が僕を支配する。僕の独占欲を上回るその強さが、眩暈がするほど嬉しくて。
「……好き」
背中に回されたしーちゃんの震える手。
「ナツが好きなの。……身体だけではなく、心も繋げたいの……っ」
「……っ」
――しーちゃん♡
――うふふふ、しーちゃんだあい好き。
――しーちゃん、あのね…。
僕の中の他の僕達の記憶が蘇生する。
――初めまして、私はシズルよ。仲良くしてね。
遠く遠く、想いの始点まで遡り――、
「好きなの、ナツ!! 好きなの――っ!!」
全てがひとつに結びついて、煌めいた。
「ああ、僕――っ!!」
思わず僕は、涙で濡れた唇でしーちゃんの唇を塞いだ。
「ん、んぅ……っ、ナツ、ちゃんと……」
「聞いてる。聞いてるから、だから……っ」
触れるだけの性急なキスを交わし合う。
何度も何度も交わしたはずの口づけは、唇に触れる度に初めてのような緊張感と興奮を呼び覚まし、とまらなくなってくる。
「聞いてない……っ、ふぅっ、んんっ、あたし……っ、ナツの……んんっ、一番になりたい、誤魔化されたり……んんっはぁっ、したくは……」
「君以上に…んっ……好きな女はいない…っ」
「嘘、嘘、う……っ」
ぬるりと舌をしーちゃんの口の中にねじ入れて、おかしなことを叫ぶ舌を絡め取る。僕から逃げようとするざらついた舌。逃がすまいと僕は追いかけ、濃厚な絡みを見せつつ、柔らかな身体をさらに引き寄せる。
逃さない。
しーちゃんが大人しくなったのを見計らい、はあはあと呼吸をしながら離した唇からは、淫らな銀の糸が双方を繋げ、それが消えそうな心地になった僕は、しーちゃんを胸の中に掻き抱いた。
ぽかぽかと叩かれる僕の背中。
「もう、誤魔化されないんだからっ!!」
「誤魔化すってなに?」
可愛くてたまらないしーちゃん。
ねぇ、僕は君と口喧嘩をしたいわけじゃない。
愛で繋がったのは現実だということを確かめ合いたいというのに、その前に君を感じたい。この興奮を鎮めて欲しい。
――好きなの、ナツ!! 好きなの――っ!!