この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

「サクラの頭の中で、あたしは…どうしてたの? 今のあたしみたいに、裸だったの?」
そしてサクラは、初めてあたしが裸だということに気づいたようだ。
「な、ななな!!」
蒼白な顔色が瞬時に真っ赤になる。
ああ、サクラってこんなにわかりやすい表情を見せる男だったのか。
あたしから逃げようとしたらしい。しかし体勢を崩した。
「やっぱり、足……怪我してる」
「してない!!」
サクラの左足首が、紫色に腫れ上がっていた。
こんな状態でよくも平然と歩いていたものだ。
「本当?」
指で突いてみたら、サクラの身体が捻れ……全身で痛みを表現を始める。思った以上に激痛だったらしい。
「お医者様に診せないと」
「……平気だ」
「痛いんでしょう?」
「痛くない」
もう一度、指でつんつんとすると、サクラが仰け反った。
「ほら、痛いんでしょうに」
悔しそうに唇を噛みしめながら、サクラが言う。
「痛くない!!」
涙目で睨み付けて意地を張る、まるで子供のようなサクラ。予想以上に怪我は深刻で、予想以上に彼は頑固だ。
メガネをとっても視力はあるのか、その目はストレートにあたしを捕える。……ただ、到底子供とは思えぬ、色気に満ちた"男"のものだが。
「痛くないというのなら……」
ああ、駄目。
サクラのこの艶ある瞳に、あたし――。
「……触っていい?」
サクラの身体が凍り付いた。

