この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

「どうしました?」
わかって聞いて来る。
メガネの奥のその笑った目が腹立たしいけれど、言い返せられない程、あたしの身体はサクラを求めすぎていた。
中途半端で終わった自慰の時から、あたしはサクラに触れられたかったんだ。だけど……顔を近づけられているというのが、恥ずかしくて溜まらない。
「あたしだって手で触ったんだから……」
「……俺の時と同じく手ならいいと? 駄目です、俺は姫に十分に責任をとらねばならない。同じ程度ではいけません。だけど……姫。あなたは本当に、俺のを見ていただけで、こんなになったんですか?」
「……っ!?」
「……なんでこの時間、湯浴みに来られたんです?」
上気したその顔が上げられる。
その瞳は、見透かしているのだろうか。
「……俺と同じことをしていました?」
心臓が口から出そうだ。
「俺のように……あなたは俺の名前を呼んで、上り詰めようとしてた?」
ああ、もうバレてる!!
「悪い!?」「なあんてね」
同時に放たれた、反対の言葉。
「「え……?」」
直後に放たれたのは、同じ言葉。
「え……まさか、冗談で……」
「え……本当に……?」
穴があったら入りたい。
自分で暴露するなんて、もう恥ずかしくてたまらない。
「笑うなら……笑えば!? あたし……男のひとと接するの、免疫ないから……穴に落ちたことのこと引き摺って。それが変な妄想になって、初めて、初めて……こんなこと!! だけど我に返ったから、頭を冷やしに来て。だけど結局……っ!! いやらしいって笑ってよ!!」
開き直って言いたいことを言い、思わず涙を流してしまうと、サクラの指があたしの涙を拭う。
そこには、からかうのではなく……優しい笑みを浮かべたサクラの表情があった。

