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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)


「駄目ぇぇぇ、そこじゃないの、モモちゃん……っ、キスしたい。あああ、駄目、モモちゃん……、あたしモモちゃんの目に見つめられながら、ねぇぇ、ふぁぁぁっ、モモ、あああ、駄目、駄目ぇぇぇぇっ!!」


 仰け反る身体。


「お願い、ねぇぇっ、あたしの…あああっ、身体、好きにしていいから、はあはあはあっ、だから行かないで――」


 俺の指は俺の望む激しさで姫のナカを掻き乱し。

 やがて姫は、なにか訴えるような目で俺を見て。



「あたしの傍にい、てよ、ああ、ぁああああああああっ、モモ――」




 遠い日に交わした、傍にいるという約束。

 約束したのに、いつも傍で守れなかった俺。


 だから最後くらい姫を守り、この城から逃がし、あなたが花嫁になるはずだった……ハルさんの元にお連れします。


 ハルさんなら、命を賭けてあなたを守り幸せにするだろう。

 それがわかるから、だから俺は――。



 どんなに望もうとも、もう遠いあの日には戻れない。

 もともと、恋心を覚えてはいけない相手だった。



 俺は、あなたを幸せにできない。

 そんな宿命を背負って生まれたようだ。



 だから俺は――。


 この恋を、強制終了にしないといけないんだ。




 姫を抱いて湯を張った浴槽に潜り、俺は声を潜めて嗚咽を繰り返した。

 きっと彼女に触れるのはこれで最後――。


「……さぁ、行かねば。終焉の宴に」


 俺の独り言に、果てて意識を無くしているはずの姫が、涙を零しながら、唇の動きだけで告げた"好き"の二文字を知らずに。
 
 
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