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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)
 

「ああ、サクラ。私もよ、サクラ、あなたは私のものよ、離さないわ」

「勿論です。俺はあなたのもの、あなただけを愛します。ああ、ああ……王妃様、ナカに…ナカに放っていいですかっ!?」

「いいわ、頂戴。サクラの熱いの、奥にたっぷり頂戴っ!!」

「はぁはぁはぁっ、あああ、王妃、俺の王妃……っ」

「サクラ、私も愛しているわ、サクラ、サクラっ」


 羨ましい、お母様が。

 サクラに愛される、あたしの血を持つ女性が。


 渡したくないよ、お母様を抱かないでよ。

 そんなにあたしは魅力ないの?


 ねぇ、行かないで。


 あたしを見て。

 その瞳に、あたしだけを映して。



「行かないで……」 



 目覚めたら……、寝台の上だった。


「夢……?」


 汗をびっしょり掻いている身体には服が着せられている。

 最後の記憶は浴室――。

 またきっとあたしはサクラに運ばれてきたんだ。


 だったら――。


「サクラは!?」


 ……サクラはどこにもいなかった。

 寝台の隣は無論、この屋敷の中も、薔薇園のどこにも。


 薄暗い時間、ここからはあたしひとりだというように、サクラに取り残されたんだ。


「やだ……やだ、やだっ!!」


 あんなに必死に、サクラが出かけないように止めたのに。

 あたしの抵抗がなければ、あのきつい香水を身体に纏いたいの?


 夢でのふたりが思い出されて、心がぎりぎりと痛んだ。


 もしかして……いや多分。

 そういう関係なんだろう。

 あの夢の行為こそが、サクラの身体に香水が染みついていた理由。


 心のどこかでわかっていたじゃないか。


 サクラはお母様の愛人なんだ。

 お母様を抱くことで、この城で生きて来れたんだ、ということに。

 
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