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【SS】目が覚めたら…?
第28章 【ファン感謝】白雪姫 ③王子(モモ)

 
「ああ、……一緒に、一緒にイッたな、俺達……」


 艶やかな顔をして、果てたあたしに何度も何度もキスをするサクラ。


「シズル……」


 ああ、サクラ。


「ねぇ、あたしが好き?」


 あたしわかったの。


「好きだ。好きでたまらない……」


 繋がったままのサクラのモノは、まだ芯が残っていた。

 根元を手で触ると、胎内のモノは硬度を増して膨張していく。


「だったら、抱いて? 何度でも……」

「ああ、何度でも抱く。抱かずにはいられない」


 情欲に濡れたサクラの瞳には、あたしが映っている。

 あたしだけが映っている。


「あのね、お願いがあるの?」

「ん……?」


 サクラは、腰を緩やかに動かしながら、甘い眼差しであたしを見る。


「一日に一回でいいから、あたしが綺麗だって言って」


 サクラは微笑み、あたしの手の甲に口づけた。



「一日に何十回、何百回でも言ってやる。

――俺だけの姫は、世界で一番綺麗だ」



 あたしの頭の中で笑い声がする。

 それはお母様の声。



 ……消えなさい。

 サクラはあたしのものなの。


 あなたの美しさはもうないの。

 代わりにあたしが、サクラに愛される美しい女になる。

 国王を翻弄するのが、淫魔の娘たる王女の使命。


 それがわかったの。

 あたしはもう自由――。



「サクラ、愛してるわ」

「俺もだ」




「ずっとあたしだけを好きでいてね」




 鏡よ鏡――。



「ああ、ずっと……、あんたに……お前に、愛を捧げるから。俺のすべてを……ぁ、すべてをやるっ」

「嬉しい。ずっとずっと……サクラはあたしのものよ」



 世界で一番美しいのはだあれ?




「あたしだけのものよ……」



 …あなたのすべてを、あたしに頂戴。永遠に。

 あなたを糧にあたしは…美しくなるから。





 目が覚めたら――。


 そこにある自分が、真実とは限らない。


 なにを夢か現か決めるのは自分次第。



 幾多の苦難を乗り越えて、結ばれる喜びの先にある独占的な愛は……鏡の中のハッピーエンド?






【モモ編 完】


 別名、淫魔覚醒編(笑)
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