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【SS】目が覚めたら…?
第29章 【白雪姫感謝】アナザー○○雪姫
朝――。
彼女はむくりと起き上がり、首を左右にゆらしてコキコキと骨の音を鳴らす。そして立上がると片手を伸ばして大きく伸びをした。
窓を少し開けて小鳥の囀りを聞きながら、サイドテーブルに置いてあるピースのタバコを手にして、眉間に皺を寄せながら火をつけ、気持ちよさそうに大きく煙を吐いた。
その表情は晴れやかで、今日の目覚めは爽やからしい。
艶やかな黒髪。
憂いを含んだ漆黒の瞳。
すっと伸びた鼻梁、肉厚の唇。
やや褐色にも思える肌を持つ彼女は、"ハル雪姫"と呼ばれるこの国の王女である。
青い上衣と黄色いスカートが繋がったお気に入りのドレスを着ているハル雪姫は、鏡台の前に立つと、咥えタバコのままで、険しく眼差しを細めさせて、頭皮チェックを始めた。
そして――。
「よしよし」
大層ご満悦な表情で頷くと、鏡台の上にある……これまた定番となっている赤いリボンを頭につけ、煙草をふかす。