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【SS】目が覚めたら…?
第4章 Ⅲ.??
そう口走った時だった。
『え~、途中失礼します。卑猥の神様ぢゃ。
"少しでもいいから、あのひとに愛されたい"…お前が望んだのは"少し"。
だからここで終了ぢゃ。楽しんで貰えて結構なにより。
では最後に、この子羊の願いを叶えてやろうじゃないか』
あの気味悪いジイサンが俺の胸の上で、おむつの尻を左右にふりふりした。
なんで今、このタイミングで――っ!!
イキたくて仕方が無い、この切羽詰まった状況の中で――っ!!
"少し"……待てよ、俺の状況みろよ、このKYジジイ!!
『子羊の願い――。
"あたしの大切の人の夢を叶えてあげて下さい。
……目が覚めるまで"』
え?
いやな予感がしたんだ。
"目が覚めるまで"…、その限定つきに。
だったら、こんな疑問になるじゃないか。
"目が覚めたら…?"
――なんだか俺……すげぇ、明日が不安なんだ。あいつ……絶対、こっちの思い通りに動く女じゃねぇから。
『"初夢"が実現するかどうかはお前達次第。ではまた~』
そして俺は目覚めたんだ。
玩具作りをしているあの作業机の上で。
「夢……え? 夢オチ?」
デジタル時計の日付は……1月4日。
俺の机の上には、ピンク色のお守りが乗っていて、俺の背には……あのひとが返して寄越した着物の羽織がかけてあった。
夢か現かわからない正月3が日――。
夢にしたい部分と、夢にしたくない部分があった3日間。
ナツはどうなんだ?
波瑠さんは?
あのひとは?
初夢とは何日のこと?
何日までが真実で、何日までが夢?
え?
え?
現実は……いかに?
誰が泣き、誰が笑うか2015年。
願わくば――
誰もの希望が叶う年になりますように……。
そう思わずにはいられなかった。
モモ編 Fin.
【正月編 完】