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第4章 初来店

クールに一人のお客としてしか見ていなかったのに，急に彼女のことが女性としてかわいく思えた。


彼女の素直に告白してくれる気持ちが愛おしかった。彼女の瞳がうるんでいた。

僕は彼女を見つめてから抱きしめた。

彼女は僕を強く抱きしめ返した。

長い時間、ずっとそうしていた。


ほんの今の時間だけでも彼女の心に温もりが与えられるなら。

それが、僕が今彼女にできること。そして、僕を素直に受け止めてくれたことへの心からの感謝の気持ちの表現だった。

そこに、言葉などは不要だった。