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カヤグムタリョン
第2章 ミョヒャンの願い
宴会での演奏を終え、自分の部屋に帰った。
今日の客は、まだ若い男だった。
さるお大臣の息子で、科挙の試験勉強といつわってこの地に逗留しているらしい。
演奏を終え、顔を上げると男は上機嫌で拍手をした。
礼を言うと、こちらに来て酌をしろと手招きされ、断るとぐいっと引き寄せられた。
腕の中で懸命にもがくー。
「旦那様、私は酌をしたことがありません。
酌をするキーセンをお呼びします。」
蒼白な顔で訴えるミョヒャンの手を男はなおも離さない。
すかさず、用心棒のソウンと外に待機しているキーセンが入ってきて男を引き剥がしてくれた。
邪魔をされた男は怒り狂い、つまみなどが乗ったお盆をひっくり返した。
ソウンは震えているミョヒャンを大韓館に送り届けてくれたのだ。
ここに来て3年ー。
ミョヒャンは、芸だけを売り続けてきた。
中には、ミョヒャンを気に入り、高額の金子を積んで女将に頼み込む輩までいたがはねつけられた。
ミョヒャンの願いはただ一つー。
でも、それが叶わないのを一番よく知っているのは彼女自身だ。
今日の客は、まだ若い男だった。
さるお大臣の息子で、科挙の試験勉強といつわってこの地に逗留しているらしい。
演奏を終え、顔を上げると男は上機嫌で拍手をした。
礼を言うと、こちらに来て酌をしろと手招きされ、断るとぐいっと引き寄せられた。
腕の中で懸命にもがくー。
「旦那様、私は酌をしたことがありません。
酌をするキーセンをお呼びします。」
蒼白な顔で訴えるミョヒャンの手を男はなおも離さない。
すかさず、用心棒のソウンと外に待機しているキーセンが入ってきて男を引き剥がしてくれた。
邪魔をされた男は怒り狂い、つまみなどが乗ったお盆をひっくり返した。
ソウンは震えているミョヒャンを大韓館に送り届けてくれたのだ。
ここに来て3年ー。
ミョヒャンは、芸だけを売り続けてきた。
中には、ミョヒャンを気に入り、高額の金子を積んで女将に頼み込む輩までいたがはねつけられた。
ミョヒャンの願いはただ一つー。
でも、それが叶わないのを一番よく知っているのは彼女自身だ。