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衝動[完]
第9章 番外編Ⅲ
「で……でも……今日は……。」
弥生が俯いて口篭ると、祐は問い返す。
「今日は?」
―――オレの誕生日だよね?
暗に―――お願い聞いてくれるよね?―――と、言われているのは明らかだった。
「わ、わかったよ。」
弥生は真っ赤になって俯いた。
――――…
「先生、背中洗ってあげる!」
弥生はスポンジを取ると、ボディソープを泡立てる。
「ありがと。」
祐は素直に背中を向けた。
ゴシゴシと祐の背中を一生懸命洗っていた弥生の手がふと止まる。
「弥生?」
祐が振り返り声をかけると、弥生は指先で祐の背をなぞった。
そこにはいくつかの傷跡が刻まれていた。