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衝動[完]
第5章 思い
「おい、弥生。どうした?」
昼休み、昼食も殆ど食べず、身体を丸めるようにして椅子に座っていた弥生に巧が声をかけた。
弥生は顔を上げると、辛そうに微笑む。
「ちょっと……寒いかなぁ……なんて……。」
「寒い~~っ!?お前、それおかしいって。熱でもあるんじゃねーの?」
今は初夏。
寒いなどと言う季節とは程遠い。
弥生は困ったような顔をして俯いた。
「保健室行った方がいいって。な?一緒に行ってやろうか?」
弥生は静かに首を振ると席を立ち、保健室へ向かった。
気は進まなかった。
どんな顔をして祐に会えばよいのか解らない。
けれど流石にこの状態は辛かった。