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衝動[完]
第5章 思い
弥生が保健室の近くまで行くと、廊下に人だかりが出来ていた。
「どうしたの?」
野次馬の一人に聞くと、少年は弥生を振り向きもせず、保健室の中を伺っていた。
「クラスの女子がさ、階段から落ちたんだよ。足とか折れてんじゃねーかなー。」
人だかりを掻き分けて中へ入ると、ベッドの脇に座っている祐が目に入った。
「肉離れ……だな。骨は多分大丈夫。今病院に電話します。」
「お願いします。」
担任だろう。
生徒の横に立つ教師が頭を下げた。
祐は立ち上がり、デスクに向かった。
入り口に立っている弥生の横を通る。
弥生は意を決して声をかけた。