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衝動[完]
第7章 番外編Ⅰ
「祐先生が本気だとでも思ってるの?」
突き刺すような瞳を向けられ、弥生は一瞬たじろいだ。
女とは言え、先輩三人に囲まれると、流石に威圧感を感じる。
弥生は祐に『玄関』で待っているように言われた。
そこへ向かう途中で捕まったのだ。
―――祐のことで話しがある―――と、言われれば、弥生に断る術は無かった。
彼女達に言われるまま、大通りから外れた道へ入る。
途端に浴びせられた言葉は、弥生の胸を深く抉った。
「あんたなんかすぐに飽きられて捨てられるのよ。……そうね、今はちょっとつまみ喰いしてるだけ。」
嫣然と微笑む女を前に、弥生の瞳が見開かれた。
「あんたなんかが祐先生に愛される筈ないじゃない。」
「そ、そんな!先生は私を……!」
弥生が俯き、唇を噛み締めると、女達は笑いながら大通りへ消えて行った。
ただひとり残された弥生は、地面を見つめたまま微動だにせず、その場に立ち尽くしていた―――。