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衝動[完]
第8章 番外編Ⅱ
その晩、弥生はベッドの上で膝を抱えていた。
祐に貰ったくまの人形を弄びながら、頭の中ではぐるぐると同じ事ばかり考えている。
どうしよう……。
祐先生が私を好きじゃなくなっちゃったらどうしよう…。
そんなの絶対嫌っ。
「弥生。」
考えることに集中していた為、祐が仕事終わりに来るということをすっかり忘れていた。
「あっ……祐先生!」
「どうかしたの?」
心配そうな表情の祐に、弥生は無理やり笑顔を作ってみせる。
「なんでもないよ?祐先生、仕事終わったの?」
「弥生の顔が早く見たくて一生懸命仕事をこなして来ました。」
片目を閉じて見せる祐に、弥生は両手を伸ばす。
祐はベッドに腰掛けると、その身をそっと抱き締めた。