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衝動[完]
第8章 番外編Ⅱ
祐は弥生をそっと抱き締める。
「弥生……落ち着いて……?」
「せんせ……祐先生……。」
泣きじゃくりながら自分にしがみ付く弥生に、祐は静かに問い掛けた。
「あのさ、弥生……。『好き』が無くなるって……どう言うことなの?」
「え?……だって……巧がそう言ったよ?」
「巧?」
祐が眉をひそめる。
「この間巧と話した時、―――そんなに好き好き言ってると、好きが無くなっちまうぞ?―――って、言われたの。私っ、祐先生に『好き』って言って貰って、キスして貰って、すごく幸せで、そのことをたくさん巧に話したんだ。私も祐先生がすごくすごく好きだから、そう言ったの。そしたら……。」
祐は溜息を吐くと、弥生を力一杯抱き締めた。