この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
衝動[完]
第8章 番外編Ⅱ
弥生は左胸を掴んで俯いた。
「ちっとも無くならない……。私だけいつまでも祐先生を好きなままなの。」
祐はベッドに座る弥生と目線を合わせる為、ベッドに手を置き、弥生の顔を覗き込んだ。
「祐先生の『好き』は無くなったのに、私のは無くならない。ずっとずっと祐先生を好きなままなの。苦しい。苦しいよ……。」
「何を言ってるの?弥生……。オレに解るように言って?」
「遅かったんだよ……。祐先生は私に『好き』って言い過ぎたから、『好き』が無くなっちゃったんだ。私、止めようとしたけど、遅かったんだよ。だから、私、悲しくて……。私だけまだ先生を好きで……一生懸命『好き』って言って『好き』を無くそうとしてるんだけど、ちっとも無くならないの。ずっとずっと……ここが痛いままなのっ……。」
弥生は左胸を掴んだまま、ポロポロと涙を零した。