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衝動[完]
第8章 番外編Ⅱ
――――…
「巧く~ん?」
脳天気なその呼び声に、嫌な予感がしつつも巧は声の主を振り返った。
「何か用か?」
放課後の廊下で、正に帰ろうとしていた巧は祐に呼び止められた。
必要以上にニコニコしている祐を見ると、背中を冷たいものが流れた。
「この間さ~、弥生と会って話しをしたでしょ?」
「ああ……。それが?」
巧はあからさまに不機嫌そうな顔を向ける。
「なかなか粋なことしてくれるよね?オレと弥生の愛を確かめたかったとか?」
「なんのことだ?」
「『好き』が無くなるなんてさ……ちょっと思いつかないよ。」
その言葉に巧は片眉を上げた。