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ナナノナノカカン
第4章 ナナナノヨン@ナナノヒミツ
震える声、鼻を啜る音――
哀れなナナに満足した秋景はすっと屈むとその頭を撫でた。
そしてそのまま頭を上げるよう促し、ぎゅっと抱き締める。

「ん、許してあげよう。――えらいえらい」
「…子どもじゃないのに」

ナナは膨れたが、決して嫌そうな表情はしなかった。
その後暫く、そうして抱き締められたまま甘えていた。

そしてさらにその後――
きちんと部屋の掃除を再開したナナの傍で、
秋景はその如何わしい小説や画集をぱらぱらと捲っていたのだった。

「この縛り方好きだなあ」

などと呟きながら。

ナナはそんな秋景を横目で見ながら、
先程までの余韻にひっそりと浸っていた。


――
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